昨年の女子ゴルフツアー第8戦、スタンレーレディース(10月9~11日、静岡・東名CC=パー72)は1999年度生まれの稲見萌寧(21)=都築電気=が優勝を果たした。試合は台風の影響で2日目の競技が中止になり、36ホールに短縮されて行われた。最終日は稲見が通算5アンダーで黄金世代の浅井咲希、ペ・ソンウ(韓国)と首位に並び、プレーオフの1ホール目でバーディーを奪って戴冠。19年のセンチュリー21レディースに続く通算2勝目を挙げた。 勝負強さが光った。プレーオフの1ホール目、稲見は4メートルのウイニングパットを沈め、右の拳を2度強く振り下ろした。正規のラウンドでスタート時にあった首位との1打差を追いつき、初体験のプレーオフを見事に制した。駆け寄ってきた親友の高橋彩華から祝福を受けると、たまらず涙腺が決壊。「最初はうれしいだけだったんですけど、いつも一緒に練習している彩華ちゃんが来てくれて、うれしくて泣いてしまいました」と声を震わせた。
女子ゴルフの2020-21シーズン開幕戦は昨年6月25~29日(予備日含む)に開催されたアース・モンダミンカップ(千葉・カメリアヒルズCC=パー72)だった。コロナ渦の中、無観客で行われた歴史的な大会を制したのは渡辺彩香(27)=大東建託。通算11アンダーで首位に並んだ鈴木愛とのプレーオフの末、1ホール目のバーディーで優勝をつかんだ。 大会は荒天のために28日に予定されていた最終日が29日に順延になった。コンディション作りが難しい状況だったが、4位から出た渡辺は5バーディー、1ボギーの68を出してトップに浮上。18番パー5を使用したプレーオフでは自慢の飛距離を生かした。2打目でピンまで残り30ヤード地点まで運び、第3打をピン左奥4メートルに乗せ、下りスライスラインを見事に沈めた。